Beranda / 恋愛 / 【R18・NTR】夏の終わりに、嘘が咲く / 12話 秘めたる恋心と、消えない残像

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12話 秘めたる恋心と、消えない残像

Penulis: みみっく
last update Terakhir Diperbarui: 2025-09-01 16:55:59

♢花火大会の夜と募る想い

 来週末の横浜花火大会。その日が近づくにつれて、悠真の胸の高鳴りは抑えきれなくなっていた。特に、ひよりが浴衣を着てくるという事実が、彼の想像力を掻き立ててやまない。脳裏には、白いうなじが露わになった浴衣姿のひよりが何度も浮かび上がり、その度に股間が熱を帯びた。

 そして、ついに迎えた花火大会当日。約束の駅前には、既にまどかと凛音、千代が揃っていた。まどかは鮮やかな金魚柄の浴衣、凛音は紺地に涼やかな朝顔柄、千代は淡い水色の撫子柄と、それぞれが個性的な浴衣姿で現れた。煌も、粋な甚平姿で現れ、彼らの隣で笑顔を振りまいている。

「あれ、ひよりちゃん遅いね〜?悠真くん、ソワソワしてる?」

 まどかが、悠真の顔を覗き込むようにからかう。その言葉に、悠真はびくりと肩を震わせた。

「そ、そんなことない」

 努めて平静を装うが、心臓は早鐘のように鳴り響く。まどかは、そんな悠真の動揺を楽しむかのように、さらにニヤリと笑った。凛音は、ちらりと悠真を見やり、何も言わずに静かにしている。千代は、心配そうに駅の改札を見つめていた。

 数分後、改札から一際目を引く可憐な姿が現れた。澄川ひよりだ。白地にピンクの桜が舞う淡い色の浴衣に身を包んだ彼女は、まるで夜空に咲いた花のように美しかった。結い上げた髪からは、白い飾り紐が揺れ、普段見慣れた制服姿とは全く違う、大人びた魅力が悠真の視線を釘付けにした。特に、浴衣の襟元から覗く白い首筋や、うなじの産毛が、彼の視線を引きつけた。

「ご、ごめんね、みんな! 遅くなっちゃって……」

 ひよりが、少し恥ずかしそうに頬を染めながら駆け寄ってきた。その声は、祭りの喧騒にかき消されそうなほど小さかった。

「ひよりちゃん、可愛いー! やっぱり浴衣似合うね!」

 まどかが弾んだ声でひよりの手を取った。千代も、「とっても素敵だよ、ひよりちゃん」と優しく微笑む。凛音は、珍しく「……悪くない」と短く呟いた。

「いや、マジで可愛いって。悠真、お前もそう思うだろ?」

 煌が、悠真の肩を叩きながらニヤリと笑った。その言葉に、悠真の全身が熱くなる。彼の視線は、ひよりの浴衣姿から離れることができなかった。ひよりの白い肌が、浴衣の淡い色と相まって、普段よりも艶かしく見える。特に、帯の下で膨らむ胸のラインが、彼の目を釘付けにした。

「……っ」

 悠真は、喉の奥から呻き声が漏れそうになるのを必死で堪えた。彼の股間は、既に限界まで硬く膨らんでいた。人混みの中で、誰も気づかないことを祈りながら、彼は股間をわずかに隠すように、浴衣の裾を掴んだ。

 花火大会の会場へ向かう道は、既に多くの人でごった返していた。悠真たちは、肩が触れ合うほどの混雑の中をゆっくりと進む。人波に押され、ひよりの体が悠真のすぐ隣に密着するたび、彼の心臓は激しいリズムを刻んだ。浴衣の薄い生地越しに伝わるひよりの体の温もりが、悠真の理性を揺さぶり続ける。彼女の甘い香りが、人混みの熱気と混じり合い、彼の鼻腔をくすぐった。

 時折、ひよりの髪が、彼の頬をそっと撫でる。そのたびに、ゾクリとした快感が悠真の全身を駆け抜けた。彼の掌は、無意識にひよりの腰へと伸びそうになるのを、必死で堪えている。このまま、時間が止まってしまえばいいと、彼は心から願った。浴衣の袖が触れ合うたび、肌と肌の距離が縮まるたび、悠真の心は、ひよりへの抑えきれない衝動でいっぱいになっていく。

♢人混みの渦と触れる温もり

 花火大会の会場に近づくにつれ、人々の波は一層濃密になった。横浜の夜空は、すでに花火の打ち上がる期待感でざわめいている。屋台からは、焼きそばやたこ焼きの香ばしい匂いが漂い、甘い綿菓子の香りと混じり合って、祭りの雰囲気を濃厚にしていた。悠真たちは、まさに人波に押し流されるようにして進んでいく。

「うわぁ……すごい人だね!」

 ひよりの、少し興奮したような声が、悠真のすぐ隣で聞こえた。彼女の体が、人混みに押されて、悠真の腕にさらに密着する。柔らかい腕が、彼の二の腕に触れるたび、悠真の神経が張り詰めた。浴衣の袖が擦れ合う音が、妙に生々しく耳に響く。

 その瞬間、背後から大きな波が押し寄せ、ひよりの体が大きく傾いだ。

「きゃっ!」

 短い悲鳴が、彼女の喉から漏れる。悠真は咄嗟に、ひよりの細い腰に腕を回し、しっかりと支えた。浴衣の帯越しに感じる、ひよりの腰の細さと、柔らかな曲線。彼の指先が、そのくびれに吸い付くように触れる。まるで、彼女の身体が、彼の腕の中に収まるように作られているかのようだった。ひよりの頬が、彼の肩に触れるほど近く、その吐息が耳元にかかる。

「大丈夫か、ひより?」

 悠真の声は、自分でも驚くほど低く、そして熱を帯びていた。彼の視線は、人混みに紛れて見えなくなったまどかたちから、ひよりの顔へと戻る。薄暗い中でも、ひよりの顔が、赤く染まっているのがはっきりと分かった。その淡いピンク色の瞳は、驚きと、そして彼への戸惑いで揺れている。

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